音劇『朱と煤』エムキチビート DVD

色盲の主人公は、兄弟から苛められて育ちます。ですが頭も顔もいい主人公、人一倍努力し、内に秘めたる野心とともに、上へと駆け上がっていきます。だが……という物語。色んな人の愛が関わってくるお話しです。

とても見易い舞台だと思いました。昔と今が、入れ替わり立ち替わりしますが、平野さんの演技力もさることながら、演出がうまく、今がどの場面なのか違和感なくスッと入ってきます。心揺さぶられる部分もとても多いのですが、重くなりすぎず余韻の残る作品です。

平野良演じる煤からは内に秘めた葛藤、野心、情熱、孤独。ひしひしと伝わってきます。
見たまま明るいだけ、暗いだけの役ならある程度誰でも出来ると思うんです。でも平野良は見た感じそんな事なさそうなのに、内に色々秘めてるよね?と思わせるのが非常に上手い。大丈夫かな…ダメだよ、落ち着けー!と目を離せない。引き込まれる。

歌もすごい。上手いだけじゃなくて、気持ちがダイレクトにくる。何重奏にもなってもぶれない。こんなに歌えるのかとびっくりする。曲がとにかく素敵で、何重にも絡みあっていくのだけど、耳心地がとても良い。

DVDじゃなくて舞台を見に行きたかった。もし再演の機会があれば、平野さんがKENさんの歌い方に寄せてる場面もあったので、違うペアも見てみたいな。影をダブルキャストにして集客したらどうかな。と勝手に思いました。