舞台『マリアビートル』 2月17日観劇

面白かった‼
何より演出が大好き!朱と煤同様、元吉演出は場面転換がとてもスムーズ。新幹線の各号車で色々起こってるので、あっちこっちに話がいくのだけど、それを椅子と人によって即座に話が移ったことが理解できる。話が途切れない。だから観客の集中も途切れない。

舞台セットは、床に1号車分の新幹線の間取り図が白線で描かれているだけ。そこにイメージ、心情に合わせた様々な形の椅子を演者が持ってきて座る。これが何ともお洒落。舞台だからこそできる演出。

音楽も生演奏のピアノの臨場感がすごいマッチしていた。実際に録音したという新幹線の音とともに、重要な役割を担っていた。


演者も完璧な配役。びっくりしたのが、檸檬役の碕理人くん。初見だったのだけど上手い!声も通る良い声で、難しい役を自然にこなしていた。

谷口賢志さんは二役やっていたのだが、あれホントに谷口さん?思うくらい別人だった。凄いな。

福圓美里さん。声優さんなのでアニメ声だが、遠方で電話で七尾とやりとりする役なので、その声がここにはいない電話上の感じがしてマッチしていた。考えられた配役だ。やり取りも軽快だった。

鈴木も王子も雰囲気が出ていて素敵だったし、一人一人誉めたら切りがないくらい、皆自然にそこにいたので、すごく入り込めた。

最後に七尾役は平野良でなければ成り立たなかったと思う。蜜柑檸檬、王子木村、前作から出てる鈴木スズメバチとキャラが濃い役ばかり。その中で、七尾が物語を最後まで見届ける役目を担っている。七尾の存在感が薄くても、物語がボヤっとするし、濃いと濃いキャラばかりで疲れてしまう。それを絶妙なバランス感覚で演じ、舞台を取り纏めていた。


原作ファンからも評価が高いので、次回は是非もっと大々的に宣伝して、再演されるべき作品だと思いました。