さよならソルシエ

熱狂的ファンのいる舞台『さよならソルシエ』。ゴッホと弟のお話。忠実とはだいぶ違うが、そうだったらいいなと思える作品。

2.5次元というより本格ミュージカル。舞台を見てると、演技に違和感がある人が必ずいるが、この作品は全員演技も歌も上手いので、ひっかかるものがなく、スッと見れる。アンサンブルも異次元にうまいので、厚みが増して、重厚なミュージカルになっている。画家のお話しということで、ここぞという時の、照明やダンサーの衣装などもとても綺麗。ピアノ1本というところが、さらに魅力を増していた。

兄弟愛に萌える。兄弟は、とても信頼しあっているが少し距離感がある。ベタベタよりも、その微妙な距離感がたまらない。おそらく実際も兄弟同様少し距離感があるので、カーテンコールでの持ち上げてグルグル、お互い少し照れた感じが良き。

平野さんがとにかく可愛い。こんなにフワフワと妖精のような演技ができることに驚き。それもわざとらしくなく、自然。フワフワしているだけじゃなくて、天才感も漂う。

歌い方も役によって全然違う。優しく可愛らしくふんわり包み込むように歌う。のびやかで、いつまでも聞いていたいくらい心地好い。

良知さんは、感情をバーンと出して歌う方。迫力もあり、大劇場のミュージカル向きだと思った。対して平野さんは大事に繊細に歌う。声量は負けてないが、大劇場のミュージカルとは少し違うのかなと今回思った。だけど底の知れない推しなので、そのときに合わせた歌い方になるだろうし、きっと大勢の方が魅了されると思う。大劇場の真ん中でスポットライトを浴びて歌う推しを一度見てみたい。