怪物、平野良

2.5次元ナビに来る俳優が平野良を褒めるのは聞かれたから気を使っているだけとお思いの方もいるでしょうが、ファンだけでなく、あらゆる方面から褒められるお方です。褒められすぎて自分が褒められても嬉しくないとまで言い放ち、その発言をまぁそうだろうなと誰もが納得した推しの凄さを力説したいと思います。

共演者や演出家に、怪物、演劇妖怪、怪優、演劇の鬼神と呼ばれている平野良。その理由もわかるほどに色々なエピソードがある。

・台詞覚え
 メサイアの番宣をした時、台詞をどうやって覚えるかという質問があった。みんな覚えるために、何かやりながらとか、物語を頭で作ってとか話す中、平野さんは「10代は1、2回読めば全部覚えられた。30歳前あたりから初めて台本を家で開いた。」との発言…!今でも数回読めば覚えられるのだろう。

・殺陣の覚え
 驚くべきは舞台インフェルノ。平野さんはその2時間ほどの舞台で、ほとんどの時間激しい殺陣をしているが、1週間くらいしか稽古期間がなく、2、3日で殺陣を覚え、そのあとすぐ通しだったという。えっ!この量を?と驚愕するレベル。普段は弱音を吐かず暑い寒いさえも言わないらしいが、さすがに弱音を吐いたと言っていた。それでも普通じゃない。本番はビシッと決まっていた。

・歌
 ずっと上手いが年々進化している。歌ではじめに注目を浴びたのが、最遊記歌劇伝。歌が上手いのはもちろんのこと、感情もめちゃめちゃ込められていてワンフレーズで泣きそうになるほど。
 だが、ソングライターズという作品で、中川晃教さんに出会うまで実質ミュージカルの仕事は断っていたそう。だがあっきーさんに感化され、ミュを本格的にやろうと決意、そこから半年もしないうちに最遊記であの歌唱。えっ化物ですか…。
成長の仕方がエグい。その後の朱と煤では難しい楽曲を何重奏になろうともぶれずに平然と歌う。他にも、さよならソルシエしゃばけ、役によって歌い方も全く違うし、言葉の伝え方、感情のこめかたが秀逸。特にモリミュを見て驚嘆。どんどん上手くなっている。

・ダンス
 難しそうな振りもサラッとこなす。そして独特の動き。溜め。キメ。引きつけられる。踊らせるとすごいキラキラする。アイドルなのか…?

・アドリブ
 テニミュのそうめんや、ママ僕、るフェア等、伝説となっているアドリブパートでの作り出すうまさは天下一品(ニコ動参照、タグ:やらかす平野)。奇面組でまた一段階進化。ゲストでも何でも笑いを取る。つっこみも上手く何でも笑いに変えてくれるので安心感と安定感が凄い。

・ビジュアル
 写真では日によって顔のコンディションが変わる不思議なお方だが、お芝居であれイベントであれ、人前に立つと圧倒的オーラを放つので、目の前で見ると格好いいもしくは可愛い以外の言葉が出てこなくなる。

トーク
 宣伝、記事、囲み取材、座談会。求められる機会も多い。インタビュー記事では、本をたくさん読んでいるからなのか、語彙や知識が豊富で紡ぐ言葉が美しくわかりやすく心に染みいる。宣伝動画をさせれば、司会業レポーター業を経て得た匠の技、早口で噛まず滑舌良くそして伝わる。囲み取材ではしっかりしたコメントの中にも必ず笑いを入れる。座談会では面白くなるように回し、周りを引き立てる。便利。

・演技
 所以の一番は、その演技力。ファンからだけでなく共演者から怪物と呼ばれる平野良。俳優の間でも「あいつは芝居がうめえ」と話題に上がり、共演してなくても名前を知る人は多い。
必要とあらば一瞬で視線も空気も自分のものとし、舞台を支配する。年齢、性別、オーラや色気も自由自在。演技は癖が強いと言われることもあるし、自分の色を消すこともしない。なのに確かにその人物がそのキャラクターが舞台上で生きている。
舞台ファンからは、いれば舞台自体がどうにかなることから、いれば安心俳優との異名も持つ。どうしたら良いものになるか面白くなるか、それを感じとる才能、嗅覚がずば抜けている。自分のアレンジを加え、でも舞台から浮かず強烈なインパクトを残す。
 癖の強い役をやらせれば右に出るものはいないが、評価が高いものにはまっすぐで気弱な役も多い。内に闇を抱えもがく姿は繊細で美しくひたすらに応援したくなる。


総括
 覚えが異様に早い上に、想像を超えるものを出し、何でも突出して出来る平野良。総合点が凄まじい。芝居はセンス。きっと凄い努力しているのだと思うが、努力でどうにかならないことも沢山ある。舞台をやるために生まれてきたような人だ。