舞台「文豪とアルケミスト~余計者の挽歌」 #文劇

アプリゲームが原作。本が侵食されている世界。文豪達が転生して、侵食者を倒し本を守る。

観た印象は、とにかくみんな顔面凶器で、目が足りないし、演技も全員上手い。テンポが早くて、ポンポン話も変わるけども、それぞれ引き込む力のある役者なので、グッと引き込まれ、太宰さんが出て来て、賑やかして場面が変わる。2.5なんだけれども、すごく演劇ぽい。暗転はほぼない。コメディとシリアスが混ざりあう。吉谷さんとなるせさんが交わるとこうなるのかぁと妙に納得した。初見ちょっと笑いが多いかとの印象も受けたが、じわじわハマり、今は毎日観たい。


太宰おさむ役 平野良。平野さんは初キラキラ2.5ってことと、あまりに良い見た目のビジュアルにファンがざわついた。でも太宰のビジュに、文アルファンから、雄みがすごい。ヨウジョじゃない。というお声が。でも、平野良は年齢も性別も自由自在…
実際、平野さんの太宰は子供っぽくてとにかく可愛くて、感情がトップギアまで振り切ったと思えば、どん底まですぐ落ちる。でも人の心に寄り添ったり、人を救えるような熱意もある。ヨウジョだったし、少年マンガの主人公のようでもあった。

平野さんのネット番組で、太宰の役作りについて「キャラはぶれないけれど、太宰のイメージと全然違うと言われるかもしれない。でもそれを加味した上で色々と考えている。すごい模索している。」というようなことを言っていた。

平野良はどの作品でも人物に一貫性がある。だからそこにその人物が生きているように思える。
今回のキャラ付けは最後の場面から逆算したのかなと勝手に思った。最後の胸熱な場面、ゲームの太宰は言わない気がする。好きな人の前でもモジモジしちゃうタイプだし、あんまり素直になれない(解釈違いだったらすみません)。でも平野太宰は、本人にガンガン好きって行くし、自分の気分次第で手のひら返したように接し方変える。それでいて大事なことは真面目に語りかけたりする。だから最後の場面、自分もだろ!と思いながらも平野太宰なら言うなと違和感がなかった。

キャラとして違うとこがあっても、あれは太宰だ、あれはあれでよかったと思ったのは、芥川に対する好きの分量や、浮き沈み、幼さなど枠組みは同じであったこと、あとは違和感を爆発的可愛さと圧倒的演技力で納得させたからだと思う。賑やかしてただけじゃなく、締めるとこは締め、最後は感動させる。一言だけで引き込む力がある平野良だからこそ、あのテンポが成り立っていたと思う。

今回のハイライトは、ダンスの魅力も爆発してたこと。中央で踊るときのオーラ。上手いだけじゃない、惹き付ける力がすごい。テニミュの時からさらに進化を遂げていた。あれで歌も惹き付ける力もすごいので、何が出来ないことはあるのですか?


芥川りゅうのすけ役、久保田秀敏。みんな芥川の女になったんじゃないかと思うほど魅力的に演じていた。若い時から30歳過ぎても活躍している役者は、やはりすごい。妖艶で優しそうで、ちょっと天然で、大きな苦悩を抱えてて。でも殺陣は冷徹で、涼しい顔で微笑しながら綺麗な殺陣で敵を倒す。オーラを出すのが上手く、すごく魅惑的。あの儚い
感じ出せるのはすごい。OPで、太宰と顔を見合わせてニコっとする場面、永遠と見てられる。


志賀なおや役 谷佳樹。ゲームでは飄々としイメージだが、ストーリー上ツンデレにしたかったのか、太宰には塩対応でお堅くて頑固。ただむしゃには弱くて、言うこと聞いちゃう。谷くんは、苦しい感情を出すのがすごく上手。こっちまで苦しくなる。太宰との絡みも多くて、ウエブマー‼️(事務所名。2人は同じ事務所。谷くんは平野さんのTO)と叫びたくなった。殺陣の綺麗さは、この界隈では随一だと思う。

武者小路さねあつ役、杉江大志。可愛いキラキラ。可愛いけど、志賀の保護者でもあるし、戦うとめちゃ強い。むしろゲームよりも、むしゃとして魅力的なキャラクターにしてたし、弱って語るところでは引き込まれて泣きそうになった。空気を作るのが上手。ツッコミも上手い。白樺派尊い。カテコでニコってしてはけてくんだけど、可愛すぎて吐血しそうになった。


中原ちゅうや役、深澤大河。若いのに、ベテランかのような、安定で落ち着いた訴えかける演技。一番安心感があったと思うほど。この子凄い。小柄だけど妙に貫禄があって圧があって、酔っぱらいのフラフラも上手くて、ちゅうやだった。太宰のアドリブをアレンジしてメイク室で平野さんに見せてくれるみたいで、気に入られてたなぁ。


織田さくのすけ役、陳内将。器用な役者さん。関西弁も上手く、殺陣も綺麗、見た目も美しい。太宰のお母さんみたいに世話焼きで、ツッコミもできて、あれ?おださく存在してるの?と思えた。滑舌も間もテンポも心地よくて場を崩さない円滑に進める2.5の匠な感じがした。満足しないキャラのファンはいないと思う。感情を出す演技も見てみたい。


坂口あんご役、小坂涼太郎。手足が長い。細い。足が50メートルあると噂になる。素は天然らしく、アドリブが可愛い。無頼派は、ずっとワチャワチャしてた。少しアウトローな雰囲気も出てて、太宰さんを後ろから見守り、大事な時はさっと現れ手をさしのべる。すこーしだけグラサン外す場面があってキュンとする。


佐藤はるお役、小南光司。はるお先生かっこいい!兄貴!太宰への罪悪感から、それを払拭しようと頑張る。自分の思いを本人には伝えられない、押しきれない部分を残しつつも、ゲームと違い逃げ腰ではない。でも太宰に嫌い!殺意!大好き!を次々に向けられ、困惑。不憫。殺陣が、広範囲攻撃。うっぷんを晴らしながらブンブン振り回す。ゲームより好きになった。かっこいい。結婚して下さい。


えどがわ乱歩役、和合真一 。和合さんの出演した作品をみて思うのは、演技が特別上手いかどうかと聞かれるとわからない。だが、和合真一にしかその役はできないと思わせる唯一無二の存在。無敵。乱歩役も美しく怪しげな和合の魅力で、閉鎖的で幻想的な文アルの世界を盛りたてていた。今まで自転車乗れなかったというエピソードも不思議で可愛い。文劇でポポファンが増えていた。


演出が素晴らしき。幻想的な雰囲気をアンサンブルでつくる。アンサンブルさん、お疲れ様ですと言いたくなる。1時間50分と少し短いが、話が詰まってるのに、テンポが良いし、緩急がすごいので満足感がある。武器を持ってる時は本を持っていないとか、OPは各文豪の精神状態を表しているとかとても緻密に演出されていて、考察も盛り上がる。

あまり文学に詳しくないので、あとから他の方の感想などを見ていると、かなり史実を織り混ぜていて面白い。それ以外も、それぞれ死後転生した話しなので、もしもう一度出会えたら、もし同じ時代に生きることができたならというお話が色々折り込まれていてエモい。そこが文アルの魅力でもあるが、それを上手くまとめて膨らました脚本がすごかった。平野さんとは旧知の仲のなるせさん。脚本は平野良の実力を十分理解した上でのあてがきだったと思う。

この舞台、そこそこのキャパと日数だがチケットが即売。ゲームの人気は不明だが、DMMなので文アルをやったことある人は多い様子。そんな中、文劇が売れた決め手はビジュアルの良さ!!元から、顔面が良い人ばかりだが、衣装にもウイッグにも武器にもメイクにも加工にも、お金がかかっていてとにかく素敵。Twitterの更新の仕方も神がかっていて、毎週1人ずつ発表するのだが、そのメインビジュアルはクールにしてあるので、解釈違いと呟く人も多い。そこで数日後、必ず雰囲気が柔らかい写真をアップ。そっちのほうがキャラに寄っていたりして、ギャップにやられる人続出。平野さんの出る2.5は全部このスタッフにお願いしたい。ふしみゅひどかったぞ…

文劇キャストは、若くてキラキラでという人選ではない。だが実力者ばかりの絶妙な人選。みんなキャスト発表みて、キャーとかワーじゃなくて、おーって言ったと思う。9人中5人は実力を持った30代。20代でも、杉江くんや大河くんは直前の舞台で主役を張ってたし、小南くんも人気作の主役が控えている。坂口くんはついに刀剣男子になるらしい。

そんな中、主役は平野良34歳。キラキラ2.5は初めてなので、平野さんを初めて見る人も多く、その演技に衝撃を受けた人が多かった様子。平野さんは毎作見る度に進化していく化け物ではあるが、平野良ならこれくらい当たり前という気分で見ていたのでその反響にこちらも驚いた。
そして文劇良かった!というお声の多さ。終演後のDVD予約の長蛇の列。2.5次元舞台も、若けりゃいいってもんじゃないという一石を投じたような気がした。