クロジ「いと恋もめや」

お母さんと子供5人で優雅に暮らしている華族と、そこに嫁ぐことになった女の子のお話し。庭には一年中咲いている桜の木がある。家族は排他的であるものの、仲は良く見える。前半は、笑いもあり家族を個々の役者がとても魅力的に表現。後半はその家族のヒミツが暴かれていき、怒濤の展開へ。そして愛について語られていく。

出ている人がほぼ声優さん。ゲストを人気声優にして、話題性と集客も考えられていて、毎日満員御礼。人気声優さんの日には、当日券に100人以上並んでいたとのこと。声優さんの人気に驚愕。
声優さんは元の発声が違うし、凄い通るから、序盤平野さんが少し浮いているような気にさえなった。

沖野晃司さん演じる兄さまは、ワイルドで破天荒でひたすらかっこいい。鴇忠役とチェンジしても面白いかなと思った。平野良の壊れるさまを見てみたいし、沖野さんは雰囲気のある魅力的な役者さんなので、鴇忠もきっと素敵に演じるのだろうなと思った。

主宰のお二人はさすがの演技力で、福圓さんのつつじは、少女マンガの主人公のような女の子で、おてんばで勝ち気で、女の子ぽいとこもあって感情移入していました。松崎さんはエネルギーの放出量が半端ない。コメディエンヌとしても目を引く存在でした。

ゲスト声優さんは、声も演技もほんと素敵でだんだんものすごいイケメンに見えてきて、惚れそうになった。声優さんファンの気持ちがわかった。

平野良演じる鴇忠さまは、実直でお堅い感じかと思いきや、むきになると子供のように可愛くなったり、妹を膝に乗せて可愛がったり、キュンとする場面が沢山。ソファーに座る姿や寝そべる姿が神々しい。後半はどうしようもない苦悩をかかえ、決意し貫く。愛を誓い、涙を誘う演技はさすがの一言。

みんな魅力的に演じられていて、どの役も印象がとても強いです。オリジナルだからこそ色んな考察ができたり、小さい劇団だからこそ、舞台ができあがる過程を小道具さんまで皆が呟いていて、アットホームな現場感がとても伝わってきました。

でも少数派だと思うけど、私にはハマらなかったー。前半は、登場人物が全員魅力的で笑いもちりばめられてて楽しく見ていた。でも後半、急な展開にずっと熱量を全力で込めた演技演出。急に異形になったり、自分は入りこめなくて、ポカーンとしてしまった。役者が上手いから余計に熱量全力の芝居は、一度引いてしまうと戻りにくい。ちょっと長い語りもあって、もう少し短くても…。そこで引き込んでくれるのが平野良で、穏やかな芝居の中で熱を見せてくれるので、もう一度中に入ることができた。

でもTwitterでは絶賛の嵐。いと恋ロスがおきるほど。千銃士で平野さんを知った人や、初めて見る、久しぶりに見る人も沢山いて、印象に残った様子。
ゲスト様方に、声優業のことも沢山アドバイスを頂いたと言っていた。マリアビートルが、今回のクロジに繋がって、このクロジが声優業にも繋がって、どんどん繋がるといいなと思いました。